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幸せについて考察してみる。その一

「幸せ」とは何か?

(架空の話)
ある少女がいた。
少女には水泳がとても得意な姉がいた。
少女が5歳の時、その姉と同じスイミングスクールに通い始める。
姉を真似、姉を目指した。
少女の上達は凄かった。
その地方都市のコーチは「この子は伸びる」と思い、必死に教えた。
少女はがむしゃらに泳いだ。
勿論、姉が目標で、泳ぐのも好きだった。
小学校高学年になったが少女の勢いは止まらない。
次々と地元の大会記録を塗り替える。
そのうちコーチや親は色めき立つ。
「この子はもしかしたら…….」
少女は地元の公立中学に進学する。
「日本一」を目指せると手応えを感じたコーチらは、もう無我夢中となる。
少女も同じく、無我夢中になっていた。
気付けば何と「オリンピック日本代表」。
少女にはそれが本来どんな意味を持つのかすらその時点ではわかっていない。
ただ、ただ、ひたすら練習あるのみ。
過酷であった。
しかし少女は耐えた。
大好きな姉が、母が、家族が、友達が、そして教えてくれたコーチが、
みんな自分に期待している。
応えなければ。

そしてその日が訪れる。
遠くスペインの地で。
無我夢中、がむしゃらに泳いだ末、気が付けば表彰台の中央に立っていた。
スーツ姿の外人のオジさんがメダルをかけてくれた。
そして君が代が流れる。
そして少女は思った。
「頑張ってきてよかった」
涙が溢れた。
カメラフラッシュ。
マイクを持った日本人が近づいてきた。
「今、どんなお気持ちですか?」
少女は数秒間を置き、その時の正気なこころの内を明かした。
「今まで生きてきた中で一番幸せです」

これが「幸せ」のひとつの形態である。まさに。
(架空の話だが)

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プロの仕事その2

私は映画監督、園子温の大ファンである。
園の映画のメイキングを見ると、彼のプロフェッショナリズムがよくわかる。
彼の扱う題材のセンセーショナリズムばかりが目立ってしまい、本来の真骨頂が観客に伝わっていないのではないかと心配になるが、おそらく園にとってそんなことはお構いなしで、万人に受け入れられる映画など微塵も目指していない。園は映画の技巧を知り尽くしており、そのテクニックを緻密に駆使し、尚かつ基本となる脚本をボロボロになるまで煮詰めている。タランティーノにも言えることだが、過去の「映画」を見まくって研究している。

園の中期作品に「奇妙なサーカス」というのがある。近親相姦、児童虐待、肉体改造といったタブー視されるモチーフを扱っているが、映画をよく見ている人であれば始まってすぐに、「あ、これはフェリーニを意識しているな」と思う映像であり、実際メイキングで監督自身が「フェリーニのような映像美を撮りたい」と語っており、同年代の自分は妙に嬉しくなった。

要は彼の映画作りは、土台となる基本技術が大前提としてあり、そこは細部にわたるまで一歩も引かない、妥協を許さない前提であり、その上にセンセーションとなる題材をポンと乗っけているのである。天才の思いつきではない、プロフェッショナリズムがそこにある。
「冷たい熱帯魚」で「でんでん」が見せた鬼気迫る演技は、もちろん「でんでん」の才能もあるが、基本は園の練りに練った台本である。宗教や殺人鬼の論理をよく取材している(はずである)。
園のそういった姿勢がスタッフにとってカリスマに写る所以である。
「園組」として彼が監督に君臨する姿は、正直うらやましくもあり、自分が目指すリーダーの理想像でもある。「プロとはどうあるべきか」のひとつの解答を私に提示している。

プロの仕事その1

濱田庄司(1894-1978)という伝説的な陶芸家がいた。
益子焼で有名な人間国宝となった人物である。
その濱田の、窯での制作風景をイギリステレビ局が取材した番組で印象的なやりとりがあった。
濱田が、陶器の「素焼き」にいわゆる「絵付け」を行うシーンでの会話である。濱田は釉薬と呼ばれる「絵の具」で素焼きの陶器に流掛(ながしがけ)という独特な手法で絵柄を付けていく。
流掛は流描とも呼ばれ、濱田の真骨頂である。柄杓のようなもので釉薬を素焼きに「ささっ」とたらし、ものの数秒でひとつの陶芸品が完成する。濱田はそれを次々と仕上げていく。
これを見ていたイギリスのジャーナリストが、半ば感心し半ば疑問に思ってか、言葉に出す。
あなたはそのようにあっという間に絵柄を付けていきますが、その陶器がひとつ何十万円にもなるわけですねぇ…
すると濱田が言う。
あんたの目にはあっという間に見えるが、私はここまで来るのに50年かかってるんだ
と。

これぞまさしくプロフェッショナルである。
プロの仕事は、余計なものがすべて削ぎ落された、極めてシンプルな外観となって表現される。
このような「プロ」を私は目指したいと思う今日この頃である。

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