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「平穏死のすすめ」 ー 石飛幸三先生の講演



以前から興味があり注目していた、石飛幸三先生の講演を当院で拝聴する機会に恵まれた。
石飛先生は元血管外科医で、現在は世田谷区の特別養護老人ホーム(以下「特養」)の常勤医をされている。
「平穏死のすすめ」というベストセラー本を書かれており、1年ほど前に私も拝読した。
大変共感するところがあり、今回講演会に足を運んだが、著書以上に興味深い内容であった。

誤解を怖れずに先生の主張を要約すると、人間には寿命があり、それは自然の摂理で家族や医療者はそれを受け入れなければならない。その自然の摂理に反するような単なる延命のためだけの医療には慎重になるべきである。そのように「平穏死」を迎えた人とその家族、そしてそれを支えた看護、介護職員らスタッフは大変幸せであったと。そのような内容である。

特養の入所者の多くは認知症(先生の特養は9 割)であり、この平穏死を語るのに「認知症」というのは欠かせないキーワードとなる。認知症で、自分が誰か、家族が誰かもわからなくなった老人に対して、誤嚥性肺炎の予防目的(つまり延命のために)で胃に穴をあけて栄養を送る、『胃瘻』という処置が病院で行われることが多い。石飛先生は、そのような延命処置でしかない胃瘻手術に異を唱える。

先進医療、中でも侵襲の高い手術を行っている私たちにとっても石飛先生の主張は心に響くものがあった。


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低侵襲手術とは何か その1

TAVI1
低侵襲大動脈弁置換術 カテーテル治療 TAVI TAVR 経皮的大動脈弁置換術
さて、TAVI、TAVRという治療が心臓血管外科業界で脚光を浴びている。実際は欧米で2002年から行われ、本邦では遅ればせながら昨年2013年10月にようやく保険適用となった治療である。「低侵襲」を謳いながらも高度な技術と設備とスタッフを要する先進的医療である。
この治療に関して、「心臓」という循環器系の医療雑誌が最新刊で特集を組んでいる。その雑誌の巻頭言(この雑誌は「OpenHEART」と銘打っているが)で某国立大学心臓血管外科の教授が「医師の自制、患者の自主」という題目の興味深い記事を書かれていた。
要約すればこうである。今後日本は世界に類を見ない超高齢化社会に突入する。医療費や社会保障費は高騰し、消費税の3%増税だけでは賄いきれない。医療の分野の内訳を分析すると循環器の分野の医療費高騰が目立つ。そのひとつとして高度医療機器が超高齢の老人に適用されていくことがあげられると(心臓 2014年4月号 Vol.46 No.4より)。ペースメーカーや「TAVI」など。このようにTAVIの特集号でありながら、あえて先進医療に釘を刺すような巻頭言を載せる雑誌編集者の粋を感じるとともに、その教授の問題提起に感心した次第である。



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