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朝日新聞に見る東京都知事選評

宇野常寛という30代の評論家がいる。評論家といっても学者系ではなく、主にサブカル系の言論人である。
その宇野氏が朝日新聞2月12日朝刊に、「若者に届かぬリベラル」と題して、先の東京都知事選の分析エッセイ文を寄せている。
要約するとこうである。既存の保守層よりタカ派色の強い訴えをした田母神氏が61万票も集めた結果を「衝撃的だった」とし、
理由は「ネット保守」と呼ばれる若者層からの指示を得たからだという。
一方のリベラル勢力は、そうした若者層に対し説得力のある主張をしてこなかったため取り込む事が出来なかったという。
そしてその背景にあるのは、リベラル勢力のある種の大衆蔑視ではないかと。

私はこの分析に違和感を感じる。まず田母神氏の61万票が「多い」のか?という疑問である。
選挙戦最中、選挙演説をまともに行い、メジャーなメディアで取り上げられていたのはほぼ4人だけで(稀に家入氏が単独で登場したが)、その4人の最下位なのだから
「少ない」というのが私の印象である。しかも過去に二期連続で都知事に選ばれた石原氏と政治信条が近いにもかかわらず、である。したがってもっと票を集めても不思議ではなかった気がする。
さらに疑問は、宇野氏の分析は「リベラル勢力」がネット保守若年層を取り込めずに「負けた」的な文脈になっているが、
実際、いわゆるリベラル中道(細川)、リベラル左派(宇都宮)はそれぞれ100万票あまりを確保し、田母神氏には「勝っている」のである。
むしろ個人的には、何年も政治の世界から離れていた盆栽している爺さんが100万票集めた事の方が衝撃的であり、リベラルの声はあらぬ方向に届いていたのかと感心する。
私の業界で例えるなら、何年も手術をしていない元外科医にいきなり重大な手術をお願いするようなもので、空恐ろしい。


さてそんな私の鬱憤を、意外にも同じ朝日新聞が晴らしてくれた。
菅原琢という政治学者がいる。宇野氏より2歳ほど上らしいがまだ30代である。こちらはガチガチの学者で、政治学の中でも選挙を研究しているらしい。
計量政治などという。菅原氏は2月27日朝刊で、「民意は単純ではない」と題した、やはり東京都知事選の分析文を掲載している。
氏が大学で研究している専門分野なだけあって説得力がある。要約すればこうである。
田母神氏が60万票で4位に入ったことが一部メディアの注目を集めているが、それらの記事は若者を中心とした過激で「愛国的なネットユーザー」に支援を広げて大量得票した、と言う話の筋となっている。
しかし、実際は「この説を指示する明確な根拠は書かれていない。同候補に投じた人々が、愛国的で過激なネット保守と呼ぶべき人々だというデータは示されていないのである」という。
さらに、過去の都知事選で同程度の得票数で落選しながらここまで大きな扱いを受けた候補はいない、という。
田母神票=「過激な保守」という前提での論評に読み違いがあるというのだ。
もっともだと思う。

さらに私見であるが、「ネット保守」が現実的には東京都住民だけではないのは明らかで、かつて自民党の大票田が地方農村地帯にあったこと(今でもそうだが)を考えると、
意外と地方に「ネット保守」層が潜在している可能性は否定できない。つまり、田母神氏は「ネット保守」に人気があるのは確かだが、
かといって、東京都知事選挙でそれらが有効な票になるかは詳細を分析しないとわからないのである。

政治的に偏向報道が目立つ朝日新聞であるが、上の若手論者の対比は「朝日としては受け入れられない田母神氏の獲得票数」を異なる観点から興味深く探ったものとして
一定の評価に値する。






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