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スコットランド独立に関する住民投票


Google マップ

本日のビッグニュースは、スコットランドの独立が住民投票で否決されたという話題である。
が、おそらく我々日本人には今ひとつピンと来ていない話題であろう。
もちろん、ウイスキー業者とか親族がそちらで暮らす日本の方々とか投票結果に固唾をのむ人たちもいたであろうが、かなり少数の人たちだと想像される。
そもそも「スコットランドがイギリスから独立したい」理由を感覚的に多くの日本人は理解出来ていないし、また「独立しないで欲しい」という主張の根幹も厳密に理解出来ていない。
そんな日本人の感覚からすると、不思議なのは独立賛成派と反対派が、己の主張を強固にアピールするという日本のメディアが垂れ流していた映像である。
真っ向から反対する人間が同一空間に二手に別れて暮らしているというのは極めて考えにくい。
想像だが、グレイゾーン(賛成か反対かどちらとも言えない、どちらかと言うと賛成、どちらかと言うと反対)といったカテゴリーに分類される住民が多くいたはずである。ただ、「独立」という、あたかも「革命」に匹敵するかの如く崇高で純粋な香りを放つ魅惑的なスローガンに、「感覚的に」シンパシーを抱いた熱狂人がこの投票をスリリングなものにしたのは間違いない。

印象的なのは、独立派急先鋒の政治家の選挙後の会見である。よく言えば、彼は民主主義と選挙を遵守した、極めて潔い政治家である。穿った見方をすれば、これだけ独立派を煽動した効果によって(独立は叶わなかったものの)地方の権限が強化されることになり、ある意味二番目以下の目的が達せられたような物言いであった。
いずれにせよ、日本において選挙で負けた政党がだらだらと言い訳をする見苦しい顛末よりはずっとすかっとする会見であった。
つまりは「民主主義」の最も分かりやすい国策決定過程を我々は見たわけである。
民主主義社会たる日本は、この民主主義の根幹を成す、「選挙」と「多数決」を汎用すべきで、集団的自衛権云々にせよ、原発再稼働にせよ、かつての小泉の郵政解散ように「民意を問いて」みろ! と私は主張したい。


「平穏死のすすめ」 ー 石飛幸三先生の講演



以前から興味があり注目していた、石飛幸三先生の講演を当院で拝聴する機会に恵まれた。
石飛先生は元血管外科医で、現在は世田谷区の特別養護老人ホーム(以下「特養」)の常勤医をされている。
「平穏死のすすめ」というベストセラー本を書かれており、1年ほど前に私も拝読した。
大変共感するところがあり、今回講演会に足を運んだが、著書以上に興味深い内容であった。

誤解を怖れずに先生の主張を要約すると、人間には寿命があり、それは自然の摂理で家族や医療者はそれを受け入れなければならない。その自然の摂理に反するような単なる延命のためだけの医療には慎重になるべきである。そのように「平穏死」を迎えた人とその家族、そしてそれを支えた看護、介護職員らスタッフは大変幸せであったと。そのような内容である。

特養の入所者の多くは認知症(先生の特養は9 割)であり、この平穏死を語るのに「認知症」というのは欠かせないキーワードとなる。認知症で、自分が誰か、家族が誰かもわからなくなった老人に対して、誤嚥性肺炎の予防目的(つまり延命のために)で胃に穴をあけて栄養を送る、『胃瘻』という処置が病院で行われることが多い。石飛先生は、そのような延命処置でしかない胃瘻手術に異を唱える。

先進医療、中でも侵襲の高い手術を行っている私たちにとっても石飛先生の主張は心に響くものがあった。


低侵襲手術とは何か その1

TAVI1
低侵襲大動脈弁置換術 カテーテル治療 TAVI TAVR 経皮的大動脈弁置換術
さて、TAVI、TAVRという治療が心臓血管外科業界で脚光を浴びている。実際は欧米で2002年から行われ、本邦では遅ればせながら昨年2013年10月にようやく保険適用となった治療である。「低侵襲」を謳いながらも高度な技術と設備とスタッフを要する先進的医療である。
この治療に関して、「心臓」という循環器系の医療雑誌が最新刊で特集を組んでいる。その雑誌の巻頭言(この雑誌は「OpenHEART」と銘打っているが)で某国立大学心臓血管外科の教授が「医師の自制、患者の自主」という題目の興味深い記事を書かれていた。
要約すればこうである。今後日本は世界に類を見ない超高齢化社会に突入する。医療費や社会保障費は高騰し、消費税の3%増税だけでは賄いきれない。医療の分野の内訳を分析すると循環器の分野の医療費高騰が目立つ。そのひとつとして高度医療機器が超高齢の老人に適用されていくことがあげられると(心臓 2014年4月号 Vol.46 No.4より)。ペースメーカーや「TAVI」など。このようにTAVIの特集号でありながら、あえて先進医療に釘を刺すような巻頭言を載せる雑誌編集者の粋を感じるとともに、その教授の問題提起に感心した次第である。



朝日新聞に見る東京都知事選評

宇野常寛という30代の評論家がいる。評論家といっても学者系ではなく、主にサブカル系の言論人である。
その宇野氏が朝日新聞2月12日朝刊に、「若者に届かぬリベラル」と題して、先の東京都知事選の分析エッセイ文を寄せている。
要約するとこうである。既存の保守層よりタカ派色の強い訴えをした田母神氏が61万票も集めた結果を「衝撃的だった」とし、
理由は「ネット保守」と呼ばれる若者層からの指示を得たからだという。
一方のリベラル勢力は、そうした若者層に対し説得力のある主張をしてこなかったため取り込む事が出来なかったという。
そしてその背景にあるのは、リベラル勢力のある種の大衆蔑視ではないかと。

私はこの分析に違和感を感じる。まず田母神氏の61万票が「多い」のか?という疑問である。
選挙戦最中、選挙演説をまともに行い、メジャーなメディアで取り上げられていたのはほぼ4人だけで(稀に家入氏が単独で登場したが)、その4人の最下位なのだから
「少ない」というのが私の印象である。しかも過去に二期連続で都知事に選ばれた石原氏と政治信条が近いにもかかわらず、である。したがってもっと票を集めても不思議ではなかった気がする。
さらに疑問は、宇野氏の分析は「リベラル勢力」がネット保守若年層を取り込めずに「負けた」的な文脈になっているが、
実際、いわゆるリベラル中道(細川)、リベラル左派(宇都宮)はそれぞれ100万票あまりを確保し、田母神氏には「勝っている」のである。
むしろ個人的には、何年も政治の世界から離れていた盆栽している爺さんが100万票集めた事の方が衝撃的であり、リベラルの声はあらぬ方向に届いていたのかと感心する。
私の業界で例えるなら、何年も手術をしていない元外科医にいきなり重大な手術をお願いするようなもので、空恐ろしい。


さてそんな私の鬱憤を、意外にも同じ朝日新聞が晴らしてくれた。
菅原琢という政治学者がいる。宇野氏より2歳ほど上らしいがまだ30代である。こちらはガチガチの学者で、政治学の中でも選挙を研究しているらしい。
計量政治などという。菅原氏は2月27日朝刊で、「民意は単純ではない」と題した、やはり東京都知事選の分析文を掲載している。
氏が大学で研究している専門分野なだけあって説得力がある。要約すればこうである。
田母神氏が60万票で4位に入ったことが一部メディアの注目を集めているが、それらの記事は若者を中心とした過激で「愛国的なネットユーザー」に支援を広げて大量得票した、と言う話の筋となっている。
しかし、実際は「この説を指示する明確な根拠は書かれていない。同候補に投じた人々が、愛国的で過激なネット保守と呼ぶべき人々だというデータは示されていないのである」という。
さらに、過去の都知事選で同程度の得票数で落選しながらここまで大きな扱いを受けた候補はいない、という。
田母神票=「過激な保守」という前提での論評に読み違いがあるというのだ。
もっともだと思う。

さらに私見であるが、「ネット保守」が現実的には東京都住民だけではないのは明らかで、かつて自民党の大票田が地方農村地帯にあったこと(今でもそうだが)を考えると、
意外と地方に「ネット保守」層が潜在している可能性は否定できない。つまり、田母神氏は「ネット保守」に人気があるのは確かだが、
かといって、東京都知事選挙でそれらが有効な票になるかは詳細を分析しないとわからないのである。

政治的に偏向報道が目立つ朝日新聞であるが、上の若手論者の対比は「朝日としては受け入れられない田母神氏の獲得票数」を異なる観点から興味深く探ったものとして
一定の評価に値する。






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